健康法?
ある健康法のセミナーでの話。
幾人かの参加者が、「私は、百歳まで元気に生きる。それを目標にしている」とか、
「この健康法で百歳以上生きるのだ」といっていました。
気合を入れてそれに取り組むのはいいけれども、私は違和を感じました。私は、そのように考えたことがないからです。
19歳の時に、若宮師に出会ったのですが、
そのとき師は「一番面白い勉強は、「自分とは何か」を勉強することだと言いました。
誘われるままに東京の郊外にある師の家に行くと、
ボロボロの三軒長屋の一室でした。
八畳間に古びたじゅうたんが一枚ひいてありました。
天井からは、糸が十数本垂れていて、背丈あたりの高さのところでまとめてあります。
雨が降ると、その下に洗面器を置いて、雨漏りの水滴を集めていたのです。
そこに悠然と坐っている師の姿に、感動しました。
資金を提供する人がいて、数年後広い家に移り、集まっていた若者たちと共同生活をしました。
その生活は、掃除やマキ割りなどの日常生活と、ヨーガや坐禅、食事は生野菜をドロドロにしたものを食べてから、玄米におかずというものでした。
これらのことは、人生を深めるための道の一つであって、健康法だとは、教わりませんでした。
私も、健康法だとは考えたことがありませんでした。
ヨーガや坐禅、食事は、今日の今、快適な心と体になって、やらなければならないことを気持ちよくできるために、必要なことです。
でも、それで健康を維持するとか、そんなことは考えません。
私がヨーガや呼吸法などで、伝えていることは、健康法ではありません。
「充実し、意味ある人生を送るためには、これがとりわけ優れて、役に立つ方法だ」
ということを伝えたいと考えているのです。