NPO法人寝たきり半分推進協議会と呼吸法


・長野市大岡診療所長内場廉医師と共に寝たきりになる人を半分にしようという「NPO法人寝たきり半分推進協議会」を設立( 2007年)しました。

寝たきりになってしまう原因の半分は、動脈硬化が原因で、動脈硬化を何としてでもなくそうと、必死に叫んでいたのが、内場廉医師でした。
私は、この思いに感動したのです。

以下は、呼吸法について内場廉廉医師に書いていただいたものです。

私は長野県の山奥のもともとは村であった小さな集落の医者をしています。

千人ちょっとの住民でも外来においでになる患者さんの病気は幅広く、しかもお年よりは一人でたくさんの病気を少しづつ抱えておられます。
ほとんどの方は年齢が80歳を超えており私にしてみれば十年前に町の病院に勤めていたころからは考えられないほどたくさんの高齢の方と毎日顔を合わす毎日です。
皆さん年齢も80を越すようになると長く生きすぎた、早くお勤めを終えたい等とおっしゃいます。
本当に早く死にたいのかなと思うと少しの風邪でも大慌てで薬を貰いにおいでになります。
やはり病気は怖いのですね。老いて体が衰えてだんだんと自由が利かなくなりそして必ず人は死んでいきます。
この村に来てたった10年で100人以上のお年寄りを看取ってきました。
まさに息を引き取る瞬間を、元気なころからだんだん衰えていく様を看取るわけです。
待合室をざっと眺めて診ます。
ここにも色々な息があります。
痛みをこらえておなかから吐く長い息、熱があるのか浅くて速い息、何を落胆したのか大きく吸ってふっと吐く息。それこそ色々な息をしています。
長く医者をしているとなんだか感のようなものが働いて、あの患者さんは何かあるという空気を感じることがあります。
何を違和感と感じているのか、それはきっと息の違いを感じています。
人は一日およそ1500回も息をします。何かの病気で無い限り寝てもさめても息をします。
そして多くの場合身体の状態や心のありようは息に表れます。
ひところ話題になった睡眠時無呼吸症候群、ただ寝ている間に息が止まるだけなのに突然に死亡する確率は数倍に跳ね上がります。
これを機械を使って呼吸を補助してあげるだけでこの死亡率は健常者と変わらないくらいによくなります。
息に心体が現れる。そして息を正せば心体安らぐよいたとえと思います。
この不思議な息と体と心の関係、今の医学ではまだ誰もそのからくりを明らかにはしておりません。
しかし理屈がわからなくても息と心と体がつながりを持って関係しあっていることは日頃の生活の中で経験しています。
お化け屋敷では大声を出して叫ぶと何故か心拍数が下がって落ち着きます。
緊張して集中すると自然と吐く息の長さが長くなり息は細くなります。
怒ると短い時間でたくさん吸って細切れにぱっぱと毒を吐きかけるように息を出します。
この息をしていると燃え上がる怒りに油が注がれてもうどうにも止まりません。
息と心と体は繋がっている。
ならば息がよければ心や体が良くなりませんか。
そう考えて何かに付け私は丹田呼吸を試みます。
私の患者さんは皆さん口では早く極楽へ行きたいと言います。
ある意味生きることに少し疲れてくたびれました。
でも若い頃と比べて明らかに身体は衰え気力も落ちあの世に行く時間は確実に迫ってきます。
五十歳を過ぎた私より七十、八十を超えて生きるあの人たちは私よりもずっと身近に死を感じています。
体が衰えていくにつけ恐れを跳ね返す気力も縮んでしまいます。
合わせて物覚えにもだんだん自信が無くなってそんな静かに忍び寄る恐れを心に押し込んで、自然と吐く息は細くて深い息になります。
彼らは自分の心と体を守る術を本能で学ぶのでしょう、見事な丹田呼吸を観ることができます。
今世の中に心と体の問題があふれています。
今こそ息を整える安らぎの術を皆さんが身につける好機だと心から思います。

寝たきり半分推進協議会
長野市国保大岡診療所 内場 きよし

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なお、内場医師は、呼吸法のことの意義を深く理解してくださり必要な患者さんには呼吸法をするようにすすめてくだっています。