何かではなく、何ものでもなく

マントラとか、チャントで唱える言葉は、祈りの言葉のように神仏という信仰の対象に向かって唱えるのではない。
言葉そのものに力があると言うようにも、言われてもいるが、そうではなく、唱えることが、そのまま事象の変化の一つとして溶けてしまう。
つまり、言葉と事象は一味である。

マントラを唱えることは、事象の変化そのものである。
これを真言とも言う。

唱えていると、「何かではなく、何ものでもない」対象もなく、主体もない。そのままあるようにある、そういう状態になる。